科学を否定することは危険

思考停止してなにも解決していないことがとても多いように思う。原発反対!そりゃそうでしょう。でも、「原子力の利用に反対」「原子力発電に反対」「現存する原子力発電所の利用に反対」というレベルで発言する人が少なすぎる。実際事故が起きて、そしてにっちもさっちもいかなくなっているので私は今の現存する原発の利用はリスキーである、という事に異論はない。とりあえず止めてから考えよう、これも反対はできない。

問題は「原子力=悪」となっていること。あくまでも現時点で使いこなせなかっただけで、原子力の活用の道を閉ざしてはいけない。もちろん現存する原発をどうするかとは別の話だ。一旦全廃してもいい。必要最低限残して廃炉にしてもいい。が、将来的に真のクリーンエネルギーとして使いこなせる日が来るかもしれない。科学技術の問題と政治や倫理の問題は別だ。

核分裂の技術の先には核融合だとか対消滅だとかSF染みたテクノロジーがあって、当然そんなのは夢のまた夢だけれども、ここで「原子力=悪」のイメージは致命的な結果を招く。以前外来魚の問題もここに書いたけれど、悪いのはリスクを無視した人間であって原子力もブラックバスも悪くないのだ。間違えてはいけない。はたして今、大学で原子力の研究をしたい、という人がどれだけ居るだろうか。スペースコロニーだとかスタートレックのエンタープライズだとか、そういった時代が来るのかどうか知らないが、何が良くて何が悪いのか、真剣に考えないといけない。ろくに中身を読みもせず見出しを見ただけで放射能怖い、原発憎いと思考停止することだけは避けたい。

マイケル・スペクター: 科学を否定することは危険

Leave a Comment